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1979年6月英国ケンブリッジ Queen Edith's Way |
The day is lingered out:
In slow wreaths folden / Around yon censer, sphered, golden,
Vague Vesper's fumes aspire;
And glimmering to eclipse / The long laburnum drips
Its honey of wild flame, its jocund spilth of fire.
— From “Sister Songs; an offering to two sisters” (1895) by Francis Thompson (1859 –1907)
In slow wreaths folden / Around yon censer, sphered, golden,
Vague Vesper's fumes aspire;
And glimmering to eclipse / The long laburnum drips
Its honey of wild flame, its jocund spilth of fire.
— From “Sister Songs; an offering to two sisters” (1895) by Francis Thompson (1859 –1907)
ラバナムの材は弓としても使われ,また杭や植物性ナメシ剤の原料,また燃料に適している.心材は黒く堅いので,黒檀の代用品として細工物にも使われる.
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植物性アルカロイドに対する感受性が動物種によって大きく異なることは,古くから知られており,ウサギやハトはベラドンナ(Atropa bella-donna)の葉を摂食すると,自身は殆ど影響を受けないが,アルカロイドを多量に身体に溜め込み,これを食した人間をアトロピン中毒にする.これをトリックにした推理小説としては,オースチン・フリーマン(1862 - 1943)著のソーンダイク博士得意の法医的知識に彩られた「バーナビイ事件 "Rex v. Burnaby” 」があり,これは『毒薬ミステリ傑作選(東京創元社,創元推理文庫, 1975)』に収められている.
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花樹としての美しさが買われて,数種の園芸品種もあるが,特に L. anagyroides と L. alpinum の交配種,L. × watereri は房の花の密度はL. anagyroides と同じように高く,一方花房の長さは L. alpinum と同じように長く,更に交配種らしく,種をあまりつけない優れた品種で,Voss's Laburnum(Vossy)という名で庭に多く植えられている.
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あしかがフラワーパークの HP より 引用すると (右画像も)
「日本に来たのが昭和40年代と言われるキングサリ属ボッシー、オーストリアとスイスに分布すると言われています。キングサリ属の中では最も大きな花と長い花房を兼ね備えた花。日本の別名「きばな藤」をとって当園では「きばな藤」と称しています。日本唯一の80mに渡って続くきばな藤のトンネル、5月から咲きふじのはな物語の最後の花。約200本の「きばな藤」は5月20日過ぎまでお楽しみいただけます。」との事.
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ウェクスフォード警部シリーズの一冊,ルース・レンデル 吉野美恵子訳『悪意の傷跡』ハヤカワ・ミステリ <1724> 早川書房(2002年)には次のような一節がある.
「ウェクスフォードは帰宅する途中で寄り道して、プラウマンズ・レーンで車を停めた。シルヴィア*とニールと子供たちがまぎれもないカントリーサイドへ引っ越す前に住んでいた家はウッドランド荘の三軒隣りである。どこの家もお隣りさんと五十ヤードは離れているような地区に、そういう言い方があてはまるならだが。その地区でいちばんこぢんまりした家のひとつ、アーツ・アンド・クラフツの切石積みの外壁に切妻をそなえたその家の、気取りがなくて親しみやすいたたずまいと、要所要所に樹木が配されているだけのシンプルな庭が彼は昔から好きだった。(中略)
その家にはキングサリ荘という名前がついていて、いまでもその名前は残っていた。名前の由来である木はまだつぼみを開いていないが、あと数日もすれば黄色い満開の花をつけそうだ。シルヴィア*が三つのとき、祖母の家の庭でこの種子を食べたあげく急遽病院に運ばれたことがあって、それ以来キングサリはどうも好きになれない。」*ウェクスフォードの長女
冒頭及び左の画像:撮影1979年6月英国ケンブリッジ Queen Edithway 近くの住宅地.左画像の遠景の赤い花はサンザシの花
キングサリ Laburnum (1/2) - オスカー・ワイルド,プリニウス,英国古本草
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