Off-season flowering
2023年の夏の異常気象のためか,夏の終わりから秋の初めにかけて,多くの木や草花に不時開花,いわゆる狂い咲きが見られた.その内のいくつかは乾燥と高温のために葉を落としたため,葉から出る花芽の成長抑制ホルモンのアブシシン酸が効力を発揮しなかったからと思われる(ハンカチノキ,ヤエベニシダレ,ナシ).しかし,それだけが理由ではないようで,夏季に目立った落葉のなかったモクレンやノウゼンカズラ,また草本類のゲッカビジン,ベラドンナ・リリー,タチアオイにも不時開花が見られた.
一昨年までは年に一度しか花を見せてくれなかったゲッカビジン,昨年は二度開花し,喜んでいたが,今年はいったん花を落としても,二週間もすると花芽が出てきて開花,7月8月9月11月と四度に渡って美しい香りのよい花を見せてくれた.特に11月の開花の時には,朝8時過ぎまで,満開の花が確認でき,お蔭で朝の光の中で焦点深度の深い花の画像と,背後からの自然光を透かしての画像を撮ることができた(冒頭図).
香りや花の大きさに特段の変化はないように思われた.また開花し始めの時刻に変化があったか否かは不明.月下美人ではなく,朝日美人になって,観賞する方としては,蚊に刺される心配がないので,歓迎.
庭のハンカチノキ,春には多くの花を着け,100個以上の実をつけた(雄花が同じ数とすると200個の花が咲いたこととなる)が,暑さと乾燥で葉をかなり落とした.そのためであろうか,ヤエベニシダレもナシも葉を落とした故であろう.
標準的な和名 通常の開花時期 撮影日
ナツズイセン Lycoris squamigera 8月中旬から下旬 9月28日①
タチアオイ Althaea rose 6月から8月 10月2日②
ノウゼンカズラ Campsis grandiflora 7月から8月 9月25日③
モクレン Magnolia liliiflora 3月下旬から4月末頃 9月30日④
ハンカチノキ Davidia involucrate 4月下旬から5月 10月10日⑤
ヤエベニシダレ Cerasus itosakura ‘Plena-rosea’ Miyoshi 4月中旬頃 11月8日⑥
ナシ Pyrus pyrifolia var. culta 4月から5月 11月8日⑦
ゲッカビジン Epiphyllum oxypetalum 7月から8月(自宅庭) 8月24日⑧,9月30日⑨,11月3日⑩
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