Nerine sarniensis
ガーンジー・リリーは,17世紀の欧州本土で広く栽培されていたと思われる.フランスでは,前記事のように,パリの庭園で見られたが,他にもイタリアで栽培されていたと可能性が高い.フランス人のバルレリエが 1673 年以前に,多分イタリアで描いた図が,ジュシューが 1714 年に出版した書に収載されている.
ドミニコ会士でフランスの植物学者でもあるジャック・バルレリエ(Jacques Barrelier, 1606 - 1673)は,医師の資格を取ったのち,聖職者として23年間ローマに滞在し,ローマに植物園を作った.ローマで『世界の庭園』("Hortus Mundi" または "Orbis
Botanicus")の執筆を行い,出版のために多数の銅版図を製作した.この本はバルレリエが1672年,パリに戻ったのち早く病没した(1673)ことにより完成することはなかった.原稿は火災で焼失し,銅板のみが残されたが,30年後に,フランス人の医師・植物学者アントワーヌ・ド・ジュシュー (Antoine de Jussieu, 1686 - 1758) が,この銅板図を用いて,記述文を追加し,『フランス,スペイン,イタリアの植物図譜』(”Icones Plantarum per Galliam, Hispaniam et Italiam observatæ”, 1714)を出版した.この書には324のフランス,スペインの植物図と1932のイタリアの植物図が記述され,それまで知られていなかった数百種の植物が含まれている.
Barrelier, Jacques (1606 – 1673), Antoine de Jussieu (1686 - 1758). ”Icones Plantarum per Galliam, Hispaniam et Italiam observatæ” (1714 )
788. Lily-Narcissus Indicus, polyanthes,
crimson, minor Barr. Icon. 126. Narcissus Japonicus, red flower Corn. 158
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