Althaea rosea (5)
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17世紀のオランダでは,市民階級が力をつけ,それまで王侯貴族の独占物であった絵画やタペストリーなどの室内装飾を自宅に飾り始めた.華やかな異国の花々をいっぱいに生けた花瓶は,その最たるものであったろう.しかし,温室が普及していない当時は,生花は簡単には手に入らなかったものと見えて,画家に注文し花束の油彩画を描かせ,それを壁にかけてその代わりにした.
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ロンドン国立美術館 Huijsum Jan van (1682-1749) “Hollyhocks and other Flowers in a Vase”
江戸時代の名画家,谷文晁(1763~1841年)が西洋画の手法を学ぶ為に描いた「ファン・ロイエン筆花鳥図模写」の花束の中にも,白いタチアオイが見える.
原画は徳川吉宗がオランダ商館に注文し 1726年に輸入した W.Van Royen の油彩 (1725年) (神戸市立博物館,名品撰:江戸の絵画のサイトより引用).
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