原産地中国においてハンカチノキは「國家一級重點保護植物(國務院1999年8月4日批准)」の中でも珍品とされていて,「珍稀瀬危植物」のひとつ.中国名は「珙桐(コントン)」であり,また別称は「水梨子」「鴿子樹」「鴿子花樹」である.「鴿」は「鳩」のことであり,白い2枚の大きな苞をハトの翼に,まるい花序をハトの頭に,緑の突き出した花柱をハトのくちばしに見立てての別名.風にそよぐ満開の花が,木に止まった数多くの白い鳩がまさに飛び立とうとしている様に見えるので,「和平友好」の象徴とされ,「綠色大熊貓」として,パンダ(大熊貓)とともに友好の使節として外国へ提供される事もあった.2008年12月23日には,17本の苗が,パンダの「団団(トゥアントゥアン)」と「円円(ユエンユエン)」とともに,特別機に載せられて台湾に贈られた.また,中国では、材は建築用や家具・彫刻に適しているとし,また果皮を薬用にするそうだ.
現東京大学
大学院理学系研究科・理学部
附属植物園
助教の下園文雄さんによれば,この木には「昔,皇帝の一人娘に白鳩という美しい姫がいた.皇帝と行楽に出かけた姫は,農村で質素な身なりの珙桐という青年に出会い,恋するようになった.姫はかんざしを半分にして思いを託し,青年に渡した.これを知った皇帝は怒り,青年を殺させてしまった.姫がその場所に行くと,珙桐は木になっていた.姫は幹にとりすがり,最後には姫の魂が木に移って,白い鳩が木に群れるような花が咲くようになった」との伝説があるとの事.
原産地での開花風景(1990年5月朝日新聞) |
また,王昭君ゆかりの故事として,
「关于鸽子樹,民间还流传着这样一个故事:汉代王昭君,为了胡汉和好,毅然出塞与呼韩邪单于结为夫妇。她在异地日夜怀念故乡,就让白鸽为她传书送信。白鸽穿云破雾飞向王昭君的故乡——湖北秭归。千万只送信的鸽子,栖息在樹上,化作洁白的花朵,成了鸽子樹。」という話もある.
2004年5月 筑波実験植物園 |
ハンカチノキ (1/2) 12年後の開花,花の構造,独特の匂い,植物界のパンダ
ハンカチノキ (2014), 果実,種子,種子繁殖法
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