Amana
edulis
2010年4月 茨城県南部 |
木村陽二郎監修『図説草木名彙辞典』柏書房 (1991) によれば「アマナ
Amana edulis」以外に,アマドコロ,ギボウシ,サトウヂシャ(ビート),ツリガネニンジン,ナルコユリ,フナバラソウ,マオウが「アマナ」と呼ばれるとされる.
同書の「アマナ」の項に出典として記されている『本草和名,新撰字鏡,和名抄,伊呂波,下学集,三才図会,物類品隲,薬品手引草,本草綱目啓蒙』の内,記述からして確実に「アマナ」が「Amana edulis」と確認できたのは,『三才図会』『物類品隲』『本草綱目啓蒙』であり,それ以前の文書では他の植物であると考えられる.なお,『薬品手引草』では確認できなかった.
従って,「アマナ」と書かれている植物を「Amana edulis」と考えていいのは 18 世紀以降の植物文献・図譜であって,それ以前のでは,十分の確認が必要である.
従って,「アマナ」と書かれている植物を「Amana edulis」と考えていいのは 18 世紀以降の植物文献・図譜であって,それ以前のでは,十分の確認が必要である.
また,アマナの漢名として多く使われる「山慈姑(さんじこ)」「燈籠花(とうろうばな)」にも複数の植物が考定されている.
古典文献上でアマナと呼ばれている植物の本体の漢名,現在の標準的な和名を,文献名と刊行年,その中の和名等を以下に表示し,各項の詳細は,次記事以降に示す.なお,空白のセルは存在を確認できなかったことである.
『多識編』以前の文献に「山慈姑」が無いのは,それまで参照していた中国から渡来していた本草書に「山慈姑」の記述がない事に由来する.(後述)
『多識編』以前の文献に「山慈姑」が無いのは,それまで参照していた中国から渡来していた本草書に「山慈姑」の記述がない事に由来する.(後述)
漢名
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黄精
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萎蕤・葳蕤
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麻黄
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山慈姑
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出典
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刊行年等
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ナルコユリ
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アマドコロ
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マオウ
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アマナ*
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新撰字鏡
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898-901
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安万奈
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本草和名
|
918
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阿末奈
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阿末袮
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阿末奈
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和名類聚抄
|
931
- 938
|
保恵美
|
安麻奈
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阿萬奈
|
|
医心方
|
984
|
阿末奈
|
阿未尓
|
阿末奈
|
|
色葉字類抄
|
1146
- 1181
|
あまな
|
|||
下学集
|
1444
|
ヲホヱミ・アウシ
|
アマナ
|
||
多識編
|
1649
|
於保恵美・阿宇之
|
恵美久佐
|
加久麻久礼
|
土宇呂宇波奈
|
貝原益軒
本草綱目
|
1673
|
ヲホヱミ
|
エビクサ
|
カクマクレ・
イヌトクサ
|
トウロウハナ
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合類大節用集
|
1680
|
アマトコロ
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和爾雅
|
1694
|
ナルコユリ
|
カラスユリ
|
トウロウバナ
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大和本草
|
1709
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アマドコロ
|
カラスユリ
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(和名無)
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用薬須知
|
1712
|
ナルコユリ
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アマドコロ
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甘菜・アマナ
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東莠南畝讖
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1713
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南京水仙
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和漢三才図会
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1713頃
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(和名無)
|
阿末奈
|
阿萬奈
|
阿末奈
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稲生若水
本草綱目
|
1714
|
ナルコユリ
|
アマドコロ
|
カワラトクサ
|
アマナ・
トウロウバナ
|
物類品隲
|
1763
|
ナルコユリ・
アマトコロ
|
カラスユリ
|
イヌトクサ・
カワラトクサ
|
アマナ・
ムギグワヰ
|
本草綱目啓蒙
|
1803
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ナルコユリ・
ササユリ 他
|
アマドコロ・
カラスユリ 他
|
カクマクレ・
イヌドクサ
|
アマナ・
トウロウバナ・
ムギグワヰ
|
アマナ-(1) 学名 シーボルト,ミクェル,本田正次
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