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原産地は南アジア.14-15世紀に明時代の中国を経由して沖縄王国に伝えられ,15世紀初頭には日本に伝来したと考えられる.室町時代の装剣金工家,後藤乗真(1512-1562)の作と伝えられる笄(コウガイ)にニガウリの割れた実をモチーフにしたものがある.
慶長 8年(1603)に出版されたイエズス会宣教師編『日葡辞書』にニガウリの名がヘチマ、タウマメ(ソラマメ)、タウキビ(トウモロコシ)、ニンジンと共に初出している.また林羅山(1583~1657)の多識篇(1612年)には栽培の記載があるので,本州でも400年以上の栽培の歴史がある事になる.
貝原益軒の「大和本草(1709年)」,「菜譜(1704年)」及び,寺島良安の「和漢三才図会(1712年頃)」には「苦瓜(錦茘枝・ツルレイシ)」として記載され,「南方から来た.ぶつぶつとした疣のある,レイシに似た実をつける.緑のうちは苦くてうまくない.熟して黄色くなると割れて赤い種が見えるようになり,観賞用になる.また甘いので子供が喜んで食べる.」と書いてあり,南国では食用にしているとは認識していたが,むしろ観賞用の植物と考えていた事が裏付けられた.
昨年,購入した苗に成った黄色く熟した実から種を取り,赤い被覆物を洗い,中から出てきた亀の形をした堅い種子を保存.今年この種の頭にあたる突起を爪切りでちょん切って播き,出てきた芽から咲いたのが,冒頭の画像.
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