2011年5月14日土曜日

メコノプシス・カンブリカ Welsh poppy,ケンブリッジ大植物園

Meconopsis cambrica = of Welsh origin 属名のメコノプシス Meconopsis は「ケシに似た」という意味のギリシャ語で,ケシ属とは多くの共通する特徴を有するが,画像で見られるように,花柱が明瞭に認められる点によって区別される.この属は 40種ほどの俗称「ヒマラヤの青いケシ」で有名だが,元々は唯一のヨーロッパ産のこの種で属が立てられた.原産地はアイルランド,イギリス南部(ウェールズ),フランス西部,イベリア半島北部などのやや湿性の高地だが,ヨーロッパ各地で園芸用に栽培されていたものが逸出して分布を広げている.花色は黄又はオレンジだが,園芸品種には朱色のものがある.この属が隔離分布をしているのか,偶然に欧州とヒマラヤ・中国南部で同じように進化したのかは不明だが,遺伝子情報を元に見直された新しい分類体系でも,青いケシとカンブリカは同じ属に入っている.

ウェールズを象徴する花として,EU統合のなかで独立国ウェールズを建国することを最終目的としているウェールズの地域政党,プライド・カムリ(ウェールズ語:Plaid Cymru,英語:The Party of Wales,ウェールズ民族党,ウェールズ党)が2006年に党のロゴに採用した.





画像は1979年の6月に,英国ケンブリッジ大学植物園の森影に野生化して咲いているのを撮影. 緑を背景にした逆光に浮かぶ薄い花弁の繊細さと,微妙な色が良く出ていると自画自賛.
同所で撮影したヒマラヤの青いケシの画像は,このブログの以下のリンクで.
メコノプシス・バイレイイ Himalayan blue poppy,ケンブリッジ大植物園

おまけはWilliam Baxter’s "Figures and Descriptions of British Flowering Plants or British Phaenogamous Botany” 1834-1843 より(銅版手彩色) "Meconopsis cambrica" Welshi Poppy









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