サクラソウのデータで「花柱形」には「短柱花」と「長柱花」の2種がある.
野生種のサクラソウは異株交配を優先させるための戦略として,雌しべの長さの違う2種を存在させた.しかし,園芸種は,そのうちのどちらかの変種として発見あるいは育種され,株分けでクローンで受け継がれたため,どちらかの型に固定され,各品種の固有の性質となっていると考えられる.
長田武正博士の「検索入門野草図鑑」 保育社 1984 より部分引用する(図も)と,
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サクラソウの花には、めしべが長く、おしべは下の方に付くものと、おしべが上の方について、めしべが短いものとの2つの型があり、二型花とよばれる。めしべの長い型では花の口もとにピンの先のような緑色の柱頭がのぞいている(ピン花)し、めしべの短い型では、黄色い5個のやくが集まってのぞいている(ブラシ花).ピン花とブラシ花は別の株につく。
人工的にブラシ花の花粉をほかのブラシ花につけてみると、さっぱり結実しない。ピン花同士でもうまくいかない。だがブラシ花とピン花の問で花粉の交換をさせるとどちらもよく結実する。プリムラ類に見られるこのような知見がはじめて発表されたのは1881年のことで、発表者が進化論で名高いチャールス・ダーウィンであることによって、とくに有名な研究となっている。
この場合、人間でなく昆虫が花粉をはこぶとするとピン花とブラシ花では、昆虫の体に花粉のつく場所がずれているので、当然ピン花の花粉はブラシ花の柱頭にはこぼれやすく、ブラシ花の花粉はピン花の柱頭にはこぼれやすい。」
この漁火の場合,「短柱花」なので,雌しべが短い型 つまり「ブラシ花」を持つ.
サクラソウ(8)墨染川 チャールス・ダーウィン
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