2022年4月25日月曜日

サクラソウ 地植え

 Primula sieboldii

二十年近く,自己流でサクラソウを鉢で育てていたが,品種や株が増えるにつれ,鉢での管理が難しくなり,一部は地植えに切り替えた.数年前,冬に鉢の水を切らして鉢植えの株の一部を枯らしてしまった.

当地の気候でも,環境にさえ気を付ければ(取手の鉄橋の下では,取手自然友の会が地植えにして繁殖させている),地植え栽培が可能なのではと考えて,思い切って地植えを主力に切り替えた.

サクラソウ(日本桜草)は,江戸時代から栽培され,色々な品種が生み出されたが,元はたった一つ,江戸の荒川の川岸に自生していたサクラソウである.従って地植えの育て方としては,自生地の環境をミミックするのがよろしいと思い

1. 夏の日中は,日陰になり,過度に高温になりすぎない(夏には河川敷には背の高い草が生い茂る)場所を撰ぶ.

2. 冬から春には,日光が十分にあてる(背の高い草は枯れて日光が当たる).

3. 土質は水はけがよいが,乾燥しすぎず,肥料分は多くはない(河川敷は砂が多く水はけはよいが,水は十分にある).

4. 花が終わったら,根元が隠れるくらい薄く土を掛ける(梅雨の時期には,川の増水により上流から流れてきた土が被る).


これを栽培の基本とし,ヤエベニシダレの影になる場所に鉢から移し,夏,サクラソウの葉が枯れた後は,株の間にノハカタカラクサ(黄葉種,左図)を植えて広がらせ,グランドカバーとした.早春には枯れたノハカタカラクサを取り除き,充分に日光が当たるようにした.

 地植え栽培を始めて4年,約30品種のサクラソウが四面の区域に元気に育ち,品種により僅かに開花時期は異なるものの,美しい花畑になっている.

 気を付けてはいるが,育土に窒素分が多いためか,鉢植えに比べて葉が大きくなり,花莖が伸びて,可憐さがやや失われてしまうのが残念ではある.

 しかし,朱・赤・桃・紫・白の花の混在のなすハーモニーも捨てがたく,ヤエベニシダレとの共婉も楽しめるので,春の風物詩としてご近所の花好きさん達にも好評である.

なお,冒頭画像左端の黄色いプリムラは英国原産の Primula veris である.