2011年12月18日日曜日

バジル メボウキ (3) 種の効用,大和本草,和漢三才図会,本草綱目啓蒙,アマゾン原住民.悪口の効用,博物誌

Ocimum basilicum seeds バジルの種を目に入れると,吸水し周りに多糖質の粘液を分泌して膨れ上がり,目の中の異物を吸着するのが日本名「メボウキ」の由来である.
〇貝原益軒『大和本草』 (1709) 巻之九 草之五 雑草類「羅勒」 「實ヲ目ニ入レハ目ノアカヲトル」
〇寺島良安『和漢三才図会』(1713頃)「羅勒子(らろくし) 乾いた子を用いて目の腎(かすみ)や塵が目に入ったのを治す。」(現代語訳,島田勇男ら,1987年)
〇小野蘭山『本草綱目啓蒙』(1803-1806) 「羅勒 メバゝキ水ヲ見レバ即外二白脂ヲ纏フテ一分余ノ大サニナル。故ニ目中ニ入テ痛マズ、能塵ヲ粘シテ出。故ニ、メバヽキト云。」

そこで,今年収穫した種に水を加えてその変化を見た.水を加えて20分ほどで,周りに白いゼリー状の物質を分泌し,20倍以上に体積が膨らんだ.触ってみるとぶよぶよで確かに目の中で異物を吸着しそう.
このような薬効が西欧や中国で認められているか気になって,ネットで調べてみたが,直接種を入れる処方は見つからず,僅かにアマゾン原住民が使っている薬用植物についてのホームページ
“Albahaca – Ocimum basilicum
A seed of albahaca placed in the eye will remove unwanted material from the eye, like mucus.”
という記述が見つかったのみであった.アマゾン流域にはバジルが自生しているとは思えないので,勿論この植物自体は後で移入されたのであろうが,地球の裏側でこの草の種に,日本と同じ薬効が認められているのは興味深い.

なお,古代ローマの博物学者,ガイウス・プリニウス・セクンドゥス(Gaius Plinius Secundus, 23 – 79,大プリニウス)の『博物誌』の植物篇には
「三六 各種の種子
メボウキよりもたくさん種子のなるものはない。さらにたくさんなるようにするためには、悪口とか罵声を浴びせてから種子を播くのがよいと、人々は教えている。」(大槻真一郎編,1994年発行,八坂書房)とあるので,来春播種の時には試してみようと思う.

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