2014年11月18日火曜日

ハンカチノキ (2014), 果実,種子,種子繁殖法

Davidia involucrata 
2014年11月
2013 年は 20 個くらいしか咲かなかったハンカチノキの花が,今年5月には 100 個程度咲いた.新聞に投稿したら地方欄に掲載され,何人か見に来られたが,掲載されたのが遅く,花盛りは過ぎていた.是非来年の連休頃にまた見に来てくださいとご案内したが,来年はどのくらい咲くだろうか.

花が多かったため,実も多く着き20 個は確認できたが,風と共に落ちてきて,今は葉の落ちた梢に10個ほどがぶら下がっている(下図,右の六個,落ちた果実,長径 35 mm,短径 25 mm).

昨年落ちていた実を放置していたところ,果肉が落ちて核のみをあらわにした(核,長径 25 mm,短径 20 mm)(下図,左端).

果実からの繁殖は発芽率は低いうえに時間がかかる(発芽に 12年,開花まで更に20年くらい)ので,英国に最初に導入された時もだいぶん苦労したとのこと.

その具体的な方法が東京大学大学院理学系研究科附属植物園 社会教育企画専門委員会編『ハンカチノキ』(2000) に記載されていたので,一部を引用する.これを読むと素人には取り木繁殖が種子繁殖に比べて時間が短く(といっても苗を得られてから十数年),手軽のように思われる.

「繁殖方法
一般的に種子繁殖、取り木繁殖、接ぎ木繁殖が行われている。
1.種子繁殖
果実はクルミ大の核果で長い果柄を持ち、鈴を吊すように着果する。熟期は 1112月。果実を入手したら果肉を取り除き、核の部分をタワシなどでよく水洗いして保存する。播種期はその年の秋または翌春。5号の駄温鉢と赤玉土の小粒と大粒を用意する。最初、鉢底に赤玉土の大粒を敷き、その上に赤玉土の小粒を入れて核を34個播種する。覆土は赤玉土の小粒を核の大きさの 倍ぐらい入れて、たっぷりと濯水する。
播種鉢は、無加湿のガラス室や軒下などの雨水のかからない場所に置き、時々潅水して鉢土を乾かさないように管理すると12年後の春に発芽してくる。発芽率はあまりよくないが、1個の核から 3本ぐらい次々と発芽が見られる変わった植物である。
移植は発芽から 1年後に1本づつにして植え替え、木の大きさに合わせて大きな鉢にすると若苗が得られる。(下園 文雄)」

今年は下園さんのインストラクションに従って蒔いてみようと計画しているが.芽がでるかしら.
昨年の経験では果肉を取るのが難しい.

ハンカチノキ (2015-2) ,夏から秋,果実の成長 ポリフェノール,勇敢な毛虫 紅葉

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