2011年5月2日月曜日

ナガミヒナゲシ

Papaver dubium = doubtful, uncertain
アフガニスタン西北部あるいは地中海沿岸原産といわれ,現在では世界各地で帰化・野生化していて(左図:Encyclopedia of Life Discover Life Global Mapper),4弁のオレンジ色の花を付ける一年草.

日本では1961年に東京都世田谷区で初めて確認されたのち,アルカリ性土壌を好むため都市周辺の路傍や植え込みなどに繁殖している.予算の関係で年度変わり以降の5月ごろに路肩や中央分離帯や空き地などの除草作業が行われるが,この頃には既にほとんどの株が結実を終え枯死しているためなかなか減らない.むしろ草刈機の振動により種子が周囲に撒き散らされ,さらに草刈機に着いた種が運ばれたりして,翌春になると前年より増え,拡がっていることが多い.生命のサイクルが日本の社会事情に合致しているため,今後も成育域を拡げて行くだろう.
ヒナゲシに比べると花の色がオレンジっぽくインパクトが小さい.また果実が下の画像に見えるように,ながい(和名の由来)ので見分けがつく.
 
都心に遅れること5年ほどで,当地でも拡がり始めた.道路に面した法や空き地に多いので,自動車が運んできたのかもしれない.庭にも数年前から現れているが,幼苗の内に処理していた.しかし今年は一本だけブログに登場してもらうために開花まで育ってもらった.この後,花を摘んで実をつけないようにしている.

左は近所の空き地.背景の青紫の花は,これも野生化した北米原産の帰化植物マツバウンラン(Linaria canadensis ).期せずして出来たお花畑ではあるが,オレンジとパープルの配色はなかなかのもの.

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