2011年5月20日金曜日

シロバナシラン(白花紫蘭)

Bletilla striata f. gebina 昨年 UP したシランの白色種.江戸時代には知られていて,紫のシランと混栽すると消えるとされている(大和本草).現在のところ,庭ではその気配はないが,繁茂している母種に比べると小型で,確かにひ弱そう.シランと異なり上がく片が垂れ下がったままでいるようだ.蕊柱の先端がやや赤紫色を帯びるのが彩りで可憐.2007年,群馬県太田市の大慶寺で購入.昨年は消えかけていたが,元気に復活. 今年は遅霜がなかったのでシラン類の花が痛まなかった.

シランの根(偽球茎)からは白及(びゃくきゅう)と呼ばれる漢方薬が取れ,植物名ともなっていたが,『広益地錦抄』によると,薬用になるのはこの白い変種(白蘭(ハクラン))とされている.

伊藤伊兵衛『花壇地錦抄』(1695)花壇地錦抄 四,五 草花春の部には,
「紫蘭(しらん)葉ハささのやうにて中より花出てこいむらさき 白蘭(はくらん)葉ハしらんよりみじかく花しろし」

伊藤伊兵衛『増補地錦抄』(1695)増補地錦抄 巻之六には,
「うすけい 紫らん草のうすむらさき」

伊藤伊兵衛『広益地錦抄』 (1719年)広益地錦抄 巻之五には,
「はくきゅう(白芨)草はなにハ白蘭(ハクラン)といふ 花むらさき成ハ紫蘭(シラン)といふ 薬種にハ白花成を用ゆ」 とある.

また,寺島良安『和漢三才図会』(1713頃)には左図に示すように白及は紅紫色の花をつけ,その根には止血作用など多様な薬効があると記されている.

シランは中国にも分布するが,このシロバナシランは自生しないと見えて,中国の種苗店では「日本 蘭花 Bletilla striata var alba 日本白芨 (白變種~花大~出葉藝) 稀有 野生蘭」として売っている.

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