2012年5月18日金曜日

ムギワラギク(帝王貝細工)モンストロサ-1

Xerochrysum bracteata cv. ‘Monstrosum’, クセロクリム(ムギワラギク)属 

ドライフラワーにすると長くその形態を保つ「不凋花(immortelle)」には何種類かあり,古くはエジプトのファラオの時代から不死の象徴として供花として使われたそうだが,現在ドライフラワーとして最もよく見かけるのは,オーストラリア原産のこの種.種袋の説明によると発芽率は良いそうだが,昨年播種した時期が遅かったためか,得られた苗は二本で,無事に開花まで育ったのはこの一本のみ.

金属光沢を持つ赤紫色の花を多数つけている.興味深いのは湿度によって花(総苞片の集合体が正しいらしいが)開いたり閉じたりすること.チューリップの様に明暗によって(正しくは気温による)花が開いたり閉じたりする例は多いが,この花は湿度が高いと苞片が内側に曲がり,結果としてアルマジロが身を守って丸くなったように見える.
松ぼっくり(松かさ)も湿度が低くなると鱗片が反り返り,そのすき間を外に広げて,種子翼という羽根状の付属物がついている風散布性の種子が風に乗って散らばる.この花の場合は,総苞片の基部にある花の花粉を雨から守り受粉を確実にするために開閉するのであろうか.
ドライフラワーにしてもこの機能が維持されるのか,確認してみたい.

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