2012年5月3日木曜日

八重咲きヤブイチゲ (俗称 ヤエザキイチリンソウ)-1


Anemone nemorosa ‘Flora Pleno’

4年ほど前に鉢植えの開花株を購入.次の年には芽が出なかったので,枯れたかと思いひっくり返したところ根が生きていたので地植えにした.次年は動きはなかったが土を掘ってみたところ地下茎が広がっており,その次年には葉が出て,ついに今年多くの花をつけた.ラベルには「八重咲きイチリンソウ」とあり,ネットには「八重咲きイチリンソウ」「ヤエイチリンソウ」の名でこの花の画像がUPされているが,イチリンソウとは葉の切れ込みや光沢,茎の色などの雰囲気が違う.そして,暑さにもタフ.

そこで『花の掲示板』( http://wplan.sakura.ne.jp/bbs.html )に左の画像をつけて,相談してみた.
直ぐに, setton8 さんから回答があり,「キンポウゲ科の Anemone nemorosa の八重咲きの園芸品種の1つで,多分、'Vestal' か 'Flore Pleno'だろうと思います。(中略)困ったことに,'Vestal' や 'Flore Pleno' が八重咲きイチリンソウなどという名前で流通しているようですが,イチリンソウ(Anemone nikoensis)とは別種なので,八重咲きイチリンソウなどという名前は使って欲しくないと思っています.」とのこと.
参考になる二つのサイトアドレス http://www.hort.net/gallery/view/ran/aneneve00 と http://www.joycreek.com/Anemone-nemorosa-Flore-Pleno-100-038.htm も教えていただいた.
これらのサイト,並びに名称で検索したところ,その画像から欧州原産のヤブイチゲ (Anemone nemorosa, wood anemone) の八重種であることが確認できた.
画像だけでは 'Vestal' か 'Flore Pleno' かの確定は出来なかったものの,‘Flore Pleno’ により似ているように思われた.

なお,ヤエイチリンソウの学名は Anemone nikoensis Maxim. f. plena Sugim でイチリンソウの一品種で,雄蕊の弁化ではなく,花弁(正しくは萼片)の数が増えた品種と思われ,setton8 さんもそのようにコメントされた.
IPNI (International Plant Name Index) で検索したところ,原記載文献は J. Geobot*. 7: 130 (1958). とのこと.J. Geobot. で検索したが,この号はヒットせず.どのような花かは確認できなかった.
* The Hokuriku journal of botany or the Journal of Geobotany. 北陸の植物 = The Hokuriku journal of botany. 金沢植物同好会, 1952-1979. 1巻1号 (昭27.1)-26巻4号 (昭54.3).

原産地の欧州・英国の古い本草書での八重品種の記載(2)で.

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