Hypericum monogynum
★(明)黄鳳池編『八種画譜』は,唐詩画譜3集(①『唐詩五言画譜』,②『新鐫六言唐詩画譜』,③『唐詩七言画譜』)及び同人編④『新鐫木本花鳥譜』,⑤『新鐫草本花詩賦』,⑥『新鐫梅竹蘭菊四譜』,以上,集雅斎より刊行された6種に,清絵斎より刊行された(明)唐寅⑦『唐六如画譜(唐解元倣古今画譜)』,(明)張成龍(白雲)選⑧『名公扇譜』の2種を併せた8種の画譜を収めた叢書で,寛文十二年 (1672) に日本では中国画譜として初めて覆刻され,日本で広く普及した.図は NDL の公開デジタル画像より部分引用
鳳池は徽州(今日の安徽省)の人であり,この書物は天啓年間(1621-1627)に刊行された.①~➂は唐の詩人の五言,六言,七言,絶句の詩をそれぞれ50首選び,その風景を図にし,原詩を左側に書いた.また④~⑥の三巻は花鳥画譜である.図はあるが,詩はない.主に花についての記述を「三才圖會」などからの抜粋や,園芸家による栽培法などを記している.
『新鐫木本花鳥譜』には,「金絲桃花」の項があり,岩と鳥(種類不明)と共にビヨウヤナギが描かれた絵と
「金絲桃花 花如桃而心有黄鬚鋪散
花外若金絲然亦根下
劈開分種」と「三才圖會」の「金絲桃」の記述そのものが載せられている.
★『廣東新語』(1678)は明朝末から清朝初頭に活躍した著名な学者・詩人の屈大均(1630-1696)が,明の郭棐(1529-1605)が成立に関わった『廣東通志』の不足を補うために著した地方史.全二十八巻で,「天語」,「地語」,「山語」,「水語」,「石語」,「神語」,「人語」,「女語」,「事語」,「學語」,「文語」,「詩語」,「藝語」,「食語」,「貨語」,「器語」,「宫語」,「舟語」,「墳語」,「禽語」,「獸語」,「鱗語」,「介語」,「蟲語」,「木語」,「香語」,「艸語」,「怪語」等の部からなる.
その「卷二十七 艸語」に「秋海棠」の章があり,中に「金絲海棠」として,ビヨウヤナギが記載されている.花の形は桃に似て,雄蕊が多く長く海棠絲の様で,その雄蕊の先に小さな珠があるので,海棠の名がある.香りがない野の花である.としている.図は NDL の公開デジタル画像より部分引用
《卷二十七
艸語》
秋海棠
秋海棠,無香.有客嘗從禺峽歸猿洞采得秋海棠,
甚香,謂嶺南諸花,其香者多生湥谷,人所罕見,不
獨秋海棠為然.予謂南州炎德,陽多而氣常泄,陽
多故花厚於色,氣泄故花薄於香.𨗉谷幽巖之間,
陰積寒凝,日光稀照,故花氣不泄而多香.故夫花
薄於香者,陽氣純在色也;薄於色者,陽氣純在香
也.端州𦏰芋峽有春海棠,花與秋海棠相似,亦香.
而葉大有毛,葉面紅綠色,有細白點如粟甚多,背
紅紫如古番錦,莖淡紫而長.西寧有野海棠,開在
春夏之交,花稍大,不香.又有金絲海棠,五出而大
瓣,與鬚蕊皆黃,一名金絲桃.其花如桃而大,故名
桃.其鬚多而長,如海棠絲,絲末各有一小蕊珠,故
名海棠,亦不香.是皆野花.大抵粵花之美者,多在
野花.
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