ヨーロッパアルプスを象徴する花というとエーデルワイスの名が挙がるが,この Gentiana acaulis (チャボリンドウ)もその一つ.英名 Stemless gentian や学名のとおり,茎がほとんど見えずに咲くので,緑のアルプの中にアルプスの青空を写したような鮮やかな碧い花が目立つ.一時は薬草として乱獲されたらしく,スイスでは “Protected plants of Switzerland“ の一つになっているが,ベルナーオーバーラントの草地ではよく見られた.写真はラウターブルンネンの谷を挟んでユンクフラウに向かい合うミュ-レンの草原に咲いていた花.向こうに見えるのはアイガー・メンヒ・ ユンクフラウ(撮影 1978年 7月).
ヨーロッパアルプスからピレネー山脈に分布.標高1200~3000メートルの草地に生え,高さは5~10センチ.5月から7月ごろに濃い青色の花を咲かせ,花冠の内側には緑色の斑点がある.日本でも「ちゃぼりんどう」の名で山草として栽培されている. E. Step による多色石版の図譜 (1896-7) は,もうひとつのブログに掲げた.図版はこちらで見られる.
生育地では非常に親しまれていて,切手(ルーマニア)や,コイン(オーストリア,1ユーロセント)の図柄に採用されている(左).
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