2011年2月2日水曜日

キク科のロゼット葉

Rosette (1)
異常に寒かった今年の冬.ようやくスイセンのアーリー・センセーションが咲き出したが,まだ春は遠い.そこで庭に咲くキク科のロゼット葉を.
ヒレアザミ(Carduus crispus), チチコグサ(Gnaphalium japonicum
ハハコグサGnaphalium affine), ヒメムカシヨモギ(Erigeron canadensis

成長すると困りものの雑草類もそれぞれに特徴ある美しい形態をとる.とくに霜の付いたヒレアザミのロゼッタはまるで繊細な手工芸品のよう(写真はなし).

「ロゼット葉」は出来るだけ重なりが少なくなるように,葉がバラの花の形で地面に広がって立ち上がっていない状態をいう.地表面に張り付いているタイプのものだけではなく,やや立ち上がっているものも,ロゼット葉に含める.越年草や地上部が枯れる多年草が,冬の間だけロゼット葉ですごし,春先に,放射状の中心から直立した茎をのばすのも多い.風や雪で倒れる茎は冬の間はないほうが良いし,支持器官を作るためのエネルギー投資が不要.その分,低コストに葉を拡げられる.さらに,日光が当たると冬のさなかでも昼間は地温があがる.極寒の季節でも,直射日光が当たると結構葉温は上昇し,光合成ができるまでに簡単にあがるらしい.

他の植物に成長を妨げられず,暖かくなればいち早く茎を伸ばすためにとった植物の戦略.たしかに効果はあるようだ.雑草と呼ばれる招かれざる,生命力に満ちた植物に多い.

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