Lysimachia
vulgaris
Neuwe Kreuterbuch 1731版 表紙 |
タベルナモンタヌス(Tabernaemontanus,
1525 - 1590)とも呼ばれるヤコブス・テオドルス(ヤコブ・ディートリッヒ,Jacobus Theodorus (Jakob Dietrich))は,外科医で初期の植物学者・薬草家であり,「ドイツの植物学の父」と呼ばれる.その図入りの『新修草木誌 ”Neuwe Kreuterbuch” 』(1581)及び,2255個もの木版画が掲載されている ”Eicones Plantarum”(1590)は,彼の生涯をかけた植物学研究と医療行為の結実であった.
英国のジョン・ジェラードのよく知られている “Herball”(1597)に使われている図の多くは,タベルナモンタヌスへの謝辞もなしに,その著作の版木から印刷したものだが,この人自身もそれらの図版のデザインを, Dodoens, Fuchs, de l'Obel 等の先行の本草書から拝借していた.
『新修草木誌』は17世紀を通じてドイツ語圏で度々復刻され,学生たちのよい教科書として広く採用された.彼のラテン語の名前(Tabernaemontanus)は彼の故郷の町,Palatinate の Bergzabernの翻訳(文字通り「タベルナ山のある」)である.
タベルナモンタヌス は,ルネッサンス期の植物学のパイオニア,ヒエロニムス・ボックの弟子としてキャリアを始め,その頃の慣例に従い,ドイツ貴族の侍医を次々と務めた. 1549年には彼は
Nassau-Weilburg の伯爵フェリペ3世の侍医となり,後には Speyer の司教 Marquard von Hattstein の侍医となった.その後,彼はドイツ帝国自由都市ヴォルムスの町の外科医を務めた.
彼はハイデルベルクで医師として,人生の最後の数十年を過ごし,三回結婚し18人の子供を残したと伝えられる.
彼の名は,フランスの植物学者シャルル・プリュミエ (Charles Plumier, 1646– 1704) が ”Nova plantarum Americanarum genera” (1703) で献名し(左図,BHL/Biblioteca Digital del Real Jardin Botanico de Madrid.),リンネが ”Genera plantarum” (1737) で採用した,亜熱帯原産の美しい花をつける灌木,キョウチクトウ科の Tabernaemontana属(サンユウカ属)に残されている.
彼の名は,フランスの植物学者シャルル・プリュミエ (Charles Plumier, 1646– 1704) が ”Nova plantarum Americanarum genera” (1703) で献名し(左図,BHL/Biblioteca Digital del Real Jardin Botanico de Madrid.),リンネが ”Genera plantarum” (1737) で採用した,亜熱帯原産の美しい花をつける灌木,キョウチクトウ科の Tabernaemontana属(サンユウカ属)に残されている.
図は,1731年版の『新修草木誌』より,リシマキア類の図で,[ ] 内は,前二記事のジェラルドの書での名称
そのうち二番目の Lysimachia II. Lutea が,Gerald の書では "The first kinde of Willow herbe" つまり真のセイヨウクサレダマの挿絵として使われている.
I.
Lysimachia purple I,:[L. spicata, Spiked Willow herbe.]
Lythrum Salicaria, L.(エゾミソハギ)
II.
Lysimachia II. Lutea,:[Lysimachia lutea Yellow Willow herbe.]
Lysimachia vulgaris, L. (セイヨウクサレダマ)
III.
Lysimachia monor III, : No
illustration in Gerald’s
IV.
Lysimcchia IV. siliquosa I.,[L. silicuosa Codded Willow herbe.]
Epilobium hirsutum, L. (オオアカバナ)
V.
Lysimachia V. siloquosa II, : [Lysimachia
syluarica, Wood Willowe herbe.]
VI.
Lysimachia VI. siloquosa III, :
[Lysimachia campesiris, Wilde Willowe herbe.]
VII. Lysimachia VII. siloquosa IV: [Chamoenerium Willow herbe with flowers like the Rose Bay.] Epilobium angustifolium, L. (ヤナギラン)
VII. Lysimachia VII. siloquosa IV: [Chamoenerium Willow herbe with flowers like the Rose Bay.] Epilobium angustifolium, L. (ヤナギラン)
そのうち二番目の Lysimachia II. Lutea が,Gerald の書では "The first kinde of Willow herbe" つまり真のセイヨウクサレダマの挿絵として使われている.
0 件のコメント:
コメントを投稿