23 Woe unto you, scribes and Pharisees, hypocrites! for ye tithe mint and anise and cummin, and have left undone the weightier matters of the law, justice, and mercy, and faith: but these ye ought to have done, and not to have left the other undone. (Matthew XXIII)
‘mint’ の名は L menthe のなまりで,ローマ神話の妖精 Minthe に由来する.Minthe は地獄の河神 Cocytus の娘で,Pluto に愛されたのでその妻 Proserpine のねたみを買って,この草に変えられた.水辺に好んで生えるのも,もとは河神の娘だったからだという.
この草が野菜・薬草として古来高く評価されていたことは,パリサイ人が十分の一税(tithe)として mint,anise(アニス),cumin(ヒメウイキョウ)を納めていた(マタイによる福音書,XXIII,23)ことからも察せられよう.
「偽善な律法学者,パリサイ人たちよ.あなたがたは,わざわいである.はっか,いのんど,クミンなどの薬味の十分の一を宮に納めておりながら,律法の中で最も重要な正義・慈悲・誠実はないがしろにしている.これこそ行うべきことである.もとより、十分の一の献げ物も無視してはならないが.」
「偽善な律法学者,パリサイ人たちよ.あなたがたは,わざわいである.はっか,いのんど,クミンなどの薬味の十分の一を宮に納めておりながら,律法の中で最も重要な正義・慈悲・誠実はないがしろにしている.これこそ行うべきことである.もとより、十分の一の献げ物も無視してはならないが.」
ローマ人もこれを盛んに用い,Plinyは,mintの香りをかげば頭がすっきりし,肉がむしょうに食べたくなると言っている.また,Ovid:Met- Amorphoses VIII, 631によれば,PhilemonとBaucisのふたりは,旅びとに身をやつしたJupiterとMercuryに食をふるまう前に,食卓を青いmintの汁で清めたという.この草はミルクの凝固・酸化を防ぐといい,したがって胃によいとされていた.
イギリスへはローマ人が伝えたものらしく,既に9世紀の尼僧院でも栽培していて,中世紀の植物誌でmintに触れていないものはないという.(英米文学植物民俗誌 加藤憲市著より 一部改変)
地植えにしてはいけないハーブのNo.1.以前頂いたミントを地植えにし,退治するのに数年かかった.今年もアップルミントを家内が買ってきたので,絶対庭に植えてはいけない,といって,鉢に植えさせたが,実際は使いもしない.
この花はもう数年,プランターの中で生育しているミントの花.種類は不明.