2010年8月11日水曜日

キジバト (1/3) 仲のよいご夫婦,ツチクレバト,大和本草,和漢三才図会,病人食

Streptopelia orientalis草花ばかり植えていた時はスズメぐらいしか,庭に来る鳥はいなかったが,サクラやモモが大きくなると,いろんな種類の鳥がやって来るようになった.ジョウビタキ・コゲラ・シジュウカラ・オナガ・ムクドリ・ヒヨドリ.

今回はご夫婦でやってきたキジバト.庭にはアサザを植えている水槽もあるので,良く水浴びをしている.この庭は,彼らにとって「無農薬の食事つき温泉宿」の様なものか.

全長約33cm.体色は雌雄同色で茶褐色から紫灰色.翼に,黒と赤褐色の鱗状の模様があるのが特徴.英名(Oriental Turtle-dove)のTurtle(亀)はこの鱗状の斑紋に由来する.また頚部側面に青と白の横縞模様がある.和名はキジの雌に体色が似ていることが由来とされる.

古くはツチクレバトと呼ばれ,オスは晴れを呼び,メスは雨を呼ぶとか,巣作りが下手で(これは確か),カササギの巣に仮住まいする,など俗信も多く伝わる.また,肉は美味で栄養に富み,特に病人食として高く評価されていた(左:大和本草,右:和漢三才図会).

そのためか,かつては山地に生息し,めったに人前に姿を現さなかったが,1960年代に都市部での銃猟が制限されるようになってからあまり人間を恐れなくなり,1970年代には街路樹や建造物でも営巣するようになった.このご夫婦はお隣のハクモクレンの木に家庭を持っているらしい.

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