2010年8月12日木曜日

エビスグサ 杜甫,決明,視力を回復させる薬

Senna obtusifolia

雨中百草秋爛死 階下決明顏色鮮
著葉滿枝翠羽蓋 開花無數黃金錢
涼風蕭蕭吹汝急 恐汝後時難獨立
堂上書生空白頭 臨風三嗅馨香泣

秋雨嘆三首 (一) 杜甫(712- 770年)
In autumn rain, the grasses rot and die, / Below the steps, the Chinese Senna's colour is fresh.
Full green leaves cover the stems like feathers, / And countless flowers bloom like golden coins.
The cold wind, moaning, blows against you fiercely, / I fear that soon you'll find it hard to stand.
Upstairs the scholar lets down his white hair, / He faces the wind, breathes the fragrance, and weeps.

降りつづくながあめの中で、草という草はこの秋に当たってくさって枯れてしまったが、階の下の決明だけが黄色い色もあざやかに咲いている。
その葉は枝にいっぱいついて、翠羽(カワセミの羽)の車蓋のようだし,その花は無数で、まるで金の銭のようだ。
今やうすら寒い風が粛々としてしきりにお前を吹いている。恐らくはお前が、時におくれてやっと咲き出しても、いまさら独り立ってゆくことはむつかしいであろう。
いたずらに白頭となって来ているこの堂上の老書生は、風に向かって、いくどもお前のかおりを嗅ぎながら泪を流すのである。(目加田誠)

中国名は決明.熱帯地方に広く分布しているジャケツイバラ科の小草本.日本では一年草として扱う.草丈は1m以上になり,葉は互生し,5-6枚の小葉からなる羽状複葉である.茎や葉をつぶすと,不快臭がある.花は葉腋に一輪か二輪ずつ咲き,いびつな5弁花で,10本ある雄しべも不揃い.

3世紀頃に編纂された「傷寒論」や「金櫃要略」には見られないが,種子を漢方では決明子(けつめいし)といい.唐以降よく用いられるようになる.「決明子」とは,「眼をすっきりさせるタネ」という意味で,石決明(せっけつめい,アワビの貝殻)とともに,視力を回復させる薬として用いられてきた.

《本草綱目》「此馬蹄決明也,以明目之功而名,又有草決明、石決明皆同功者。草決明即青葙子,陶氏所謂萋蒿是也。」

陶弘景《本草經集注》稱「決明,葉如茳芒,子形似馬蹄,呼為馬蹄決明……又別有草決明,是萋蒿子,在下品中也。」

而草決明在《本經》中有記載,又稱牛尾花子、狗尾巴子。《本草綱目》中有「青葙子治眼,與決明子、莧實同功」的明述。


また,一方,便秘や排尿障害・高脂血症・高血圧などの生活習慣病の予防や改善に効果があるとされ,健康茶の一つとしてそのままあるいは,どくだみ・はとむぎなどと混合して売られていることもある.日本では,炒ったものを,お茶のようにお湯を注ぎ,少し蒸らした後,かすをこして飲む.中国や韓国では,生のものを煎じてのむ.少々不快な青臭いにおいと,苦みやえぐみがある.

本来「ハブ茶」というのは,同属の植物ハブソウの種子を用いるべきだが,現在利用されているのは,すべてエビスグサの方である.
(左:大和本草巻之十九「大和本草諸品図上」より)

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