白い花なら百合の花
黄色い花なら菊の花
悲しい恋なら何の花
真赤な港の彼岸花
(後略)
『港の彼岸花』 歌:浅川マキ 詩:浅川マキ,なかにし礼 曲:鈴木薫
黄色い花なら菊の花
悲しい恋なら何の花
真赤な港の彼岸花
(後略)
『港の彼岸花』 歌:浅川マキ 詩:浅川マキ,なかにし礼 曲:鈴木薫
中国からの史前帰化植物.日本にあるものは三倍体で実を結ばず,球根で増える.原産地(中国長江流域以南)では二倍体(コヒガンバナ)と混在するとのことなので,ここで四倍体との交配で誕生し,大きな繁殖力を得たと思われる.球根(鱗茎)にはリコリンなどのアルカロイドを含むため有毒.日本には稲作と共に移入され,ノネズミの害を防ぐために畦などに植えられたのが野生化したと考えられる.
鱗茎に澱粉を含み,十分な毒抜きをすると食用になる救荒植物であるが,植松黎著『毒草を食べてみた』に拠ると決して美味しくはない.花は不吉な花として嫌われこともおおいが,江戸時代の園芸書 伊藤伊兵衛『花壇地錦抄』(1695) 巻四・五「草花秋之部」に「曼朱沙花(まんしゅさけ) 花色朱のごとく花の時分葉ハなし此花何成ゆへにや世俗うるさき名をつけて花壇などにハ大方うへず」 とあり,また,同人の『広益地錦抄』(1719) 巻五「薬草五十七種」に「石蒜(せきさん)是もさんしこのごとくなれども花ハ八月中の比ひらく色極朱紅花しべ長ク多く出ル俗に曼珠沙花(マンジュサケ)といふ根ハ水せんのことくなるたまなり此根をこまかにすりて粘(ノリ)におしまぜ屏風ふすまの下張に用れはいつまても蟲はむ事なしとて多く表具細工に用ユ」とある (「さんし」とはナツズイセンのこと).
古くから身近にあって歌謡でも親しまれているが,個人的には2010年1月17日に急逝された浅川マキさんの『港の彼岸花』が耳に残る.また,マキさんの名曲 『赤い橋』 詞:北山修 曲:山本幸三郎 に歌われる「赤い花」は彼岸花だろうと信じている.
古くから身近にあって歌謡でも親しまれているが,個人的には2010年1月17日に急逝された浅川マキさんの『港の彼岸花』が耳に残る.また,マキさんの名曲 『赤い橋』 詞:北山修 曲:山本幸三郎 に歌われる「赤い花」は彼岸花だろうと信じている.
不思議な橋が この町にある 渡った人は 帰らない
昔、 むかしから 橋は変わらない 水は流れない いつの日も
不思議な橋が この町にある 渡った人は 帰らない
いろんな人が この町を出る 渡った人は 帰らない
赤く赤く 塗った 橋のたもとには 赤い赤い花が 咲いている
不思議な橋が この町にある 渡った人は 帰らない
(後略)
昔、 むかしから 橋は変わらない 水は流れない いつの日も
不思議な橋が この町にある 渡った人は 帰らない
いろんな人が この町を出る 渡った人は 帰らない
赤く赤く 塗った 橋のたもとには 赤い赤い花が 咲いている
不思議な橋が この町にある 渡った人は 帰らない
(後略)
上から見ると,雄しべ雌しべが放射状につき出ていて,種小名 radiate がなるほどと思われる(左).
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