2011年4月20日水曜日

マキシラリア ポルフィロステール

Maxillaria porphyrostele 淡黄緑色の半開の花形や一茎一花,また花の配色は日本原産のシュンランに良く似ているが,ブラジル原産の着生ラン.花茎の高さは10cmほど.チョコレートかバニラのような甘い香りがする.色が地味な分だけ,香りで虫をひきつけようとの戦略か.原産地では湿度の高い樹林帯に棲息していて,水分が好き.球茎はやや扁平な球状卵形で,線形の葉を1個に2枚つけ,元から花茎を伸ばす.唇弁を守るかのように萼片が前方に湾曲している.



福島県にお住まいのランの愛好家の S さんから,「花付抜群の強健種で初心者にも育てやすい」と昨年の春に頂いた.昨年の夏は体調不良であまり水がやれなかったので心配していたが,十数個の花をつけた.数年育てれば鉢から溢れんばかりに成長するとの事.楽しみ.



ラテン語辞典によれば,属名の Maxillaria は“cheek, cheekbone”,横から見ると特に半開の花の萼片は顎の骨のよう(左図,上).

一方,種小名の porphyrostele は purple+column で「紫の蕊柱」の意(W.T.Stream, "Botanical Latin" 2004).蕊柱とはラン科の花によく見られる,雄しべと雌しべが合わさって 1 本の柱のようになった構造体で,左図の下,唇弁の真上の濃色の部分.紫よりは濃褐色に見えるが,--.

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