2010年11月7日日曜日

番外編 ハナグモ

Misumenops tricuspidatus「坂の上の雲」ならぬ,「花の上の蜘蛛」,今満開のイエローキャンパスの花びらの上で,吸蜜に来る昆虫を待っていた.

ハナグモはカニグモ科に属する網を張らないクモで,草間や花の裏などを徘徊・待ち伏せて,昆虫類などを捕食する.体色も花や葉の色に紛れる様にか,明るい中間色.幼体では全身緑色で,成体の雄では頭胸部および足は赤褐色で腹部の中央付近が緑色になり,雌では頭胸部および足は緑色で腹部は白っぽい.何れも腹背に褐色の斑紋が見られる.動作はゆっくりとしていて,ほとんど動かないので,昆虫に認識されないのであろう.
カニグモ科のクモの外見上の特徴は足の配置で,4対の足のうち,前3対が前を向き,後ろ1対のみが後ろを向く.特に前2対が長く発達して,その2対は左右に大きく張り出し,それを抱え込むように曲げるので,カニを思わせる.
写真のハナグモは体色から生体の雌.この大きさではチョウは獲物になりそうもない.アブやアリマキを待っているのだろうか.生きた農薬としてアリマキをせっせと食べて欲しい.
おまけは米国カリフォルニア州に在住の Kate-san のパートナー,Peter-san が撮影した米国のクモの画像.
Peter-san は主に人物や自然を撮影し,個展やグループ展を開き,音楽祭などの催しに呼ばれるプロの写真家.黒色の背景にクモの巣の糸が銀色に輝く描写はさすが.クモの名は分からないが,この雌は交尾の後で,雄を食べてしまったとのこと.

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