2010年10月22日金曜日

洋種シュウメイギク ボタンキブネギク

Anemone ×hybridaピンクのシュウメイギクが満開.一株づつ離して植えたのが,子株を増やし広がった.秋風に揺れている様子は,なかなかエレガント.買った時は矮化剤を使っていたのか,こじんまりしていたが,次の年からは1m以上に花茎を伸ばす.乾燥は好きではないと見えて,今年の夏は葉を落とし,子株もいくつか枯れてしまった.

日本に昔からあるシュウメイギク(貴船菊,左図)は紫紅色で八重の花をつける.庭に植えてあるのは一重のと桃の花をつける種.これらは「洋種シュウメイギク」とでも呼んで区別するよう,千葉大の村井千里氏は,「花葉 2007 No.26」で提案している.

また,長田武正『原色日本帰化植物図鑑』保育社 (1976) には,「シュウメイギク」の項に「萼片が幅広く,数は10個以下で白~淡紅色のものをボタンキブネギクという.」とある.これに従えば,この植物はボタンキブネギクとなる.

シュウメイギクの母種は Anemone hupensis で桃色の一重の花をつけ,漢名は「打破碗花花」,中国南部の海抜400~1800mの草原に生える.日本でのシュウメイギク A. hupensis var. japonica は現地で「秋牡丹」と呼ばれ,八重咲き、蕚片が約20で,紫或は紫紅色.雲南,広東,江西などの各地で栽培されたものが野生化している.

一方日本で現在一般に流通しているシュウメイギクは欧州で秋牡丹と野棉花(一重,白花 A. hupensis var. alba)を交配して改良した A. ×hybrida ボタンキブネギク が主らしい(左図 Garden Perennials and Water Plants, 1970 より).

昔からある「シュウメイギク」は江戸時代には広く栽培・野生化していたと見え,小野蘭山『本草綱目啓蒙』(1803―1806)には日本各地での呼び方が記されているが,それぞれこの花の特徴を捉えていて興味深い.
秋牡丹一名秋芍薬卜云。
 和名 キブネギク京師 カウライギク讃州 八朔牡丹長州 アキ牡丹相州 カハギク紀州 カヾギク泉州 トウギク大和本草 紫衣ギク三才図会 ハマギク常州 シマギク越後 ムメウサウ南都 サツマギク濃州 カブラギク加州小松 カブロギク勢州山田 シウメイギク同上久井 クハンノンギク播州林田 ランギク同上立野 カラギク越前 クサボタン江州 
 山中渓側二生ズ。人家ニモ栽、甚繁茂ス。城州ニハ貴船山中二自生多シ。故ニキブネギクト云.春宿根ヨリ葉ヲ叢生ス。形三枝九葉ニシテ大抵牡丹葉ニ類シ、尖リテ毛茸アリ。夏月、茎ヲ抽コト三四尺、八九月二至リ、枝頂ゴト一花アリ。形菊花ノ如ク、二三重ナリ。大サ一寸余、初ハ紫紅色後ハ色淡シ。背二白毛アリ。花中ニ黄小心アリ。花後実ヲ結バズ。冬二至テ苗枯。春二至レバ根鬚ノ末皆苗ヲ発スルコト、金沸草(オグルマ)ノゴトシ。

海を渡ったシュウメギク」はこちらのリンクからどうぞ.

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