2010年7月3日土曜日

ジャノヒゲ(リュウノヒゲ) “玉竜”

Ophiopogon japonicus cv. “Gyokuryu”今の時期に葉の下で咲く花は目立たないが,冬につける光沢のある美しい碧青の実は目を引き,俳句や短歌は主にこの実を題材にする.しかし,花もよく見ると可憐で美しい.

日本、中国、朝鮮半島などに自生する.日陰でもよく育ち,強健で冬でも葉が枯れないので花壇の縁取りやグラウンドカバーに用いられる.細長いほふく枝を出して広がり,密生する.細いひげ根を多数出すが,その一部は紡錘状に膨らむ(左,スキャナー取り込み画像).
この部分をそのまま,あるいは中心柱を抜いて乾燥したものを「麦門冬」と呼んで,漢方で鎮咳・去痰・緩和・消炎・解熱・利尿・強心・滋養・強壮などの目的で配合される.日本でのジャノヒゲの栽培は18世紀から始められ,一時は盛んに輸出された.

ほふく枝からの子株を移植して増やし,斜面や雨水受けの溝の側に植えて土留めに使っている.紡錘状に膨らんだ根は,つぶすと刺激性のよいにおいがする.冬に鳥が食べ,青い皮がなくなった半透明の種子が,落とした糞の中に見られる.集めて播いてみているが,まだ芽はでてきていない.

海を渡って,日本のスズランという名でルドーテの「ユリ図譜」に描かれている.詳しくは私のもうひとつのブログ「海を渡った日本の花々-ジャノヒゲ」をご覧願いたい.

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