2010年7月30日金曜日

カノコユリ 自生地,シーボルト,「これより美しさでまさるユリはない」,香りとその成分

Lilium speciosum九州北部や島々(甑島の自生地は有名),四国の山地のがけなどに自生.日本の花に少ない色合いが賞されて古くから栽培されていた.花色は赤花系のほかに白花系の個体もみられ,シラタマユリとして昔から鑑賞用に栽培されている.和名は白地に紅色の斑点が,鹿の子絞りのようにつくことからで,花びらが反り返るのが特徴.

1830年にシーボルトが欧州に持ち帰り,球根が2年後に花を咲かせたときには,その美しさに人々は感嘆し,「これより美しさでまさるユリはない」とまで称賛され,球根は同じ重さの銀の価値があるとされた.詳しくは私のもうひとつのブログ「海を渡った日本の花」カノコユリの項を参照ください.

佐竹 義輔ら『日本の野生植物 草本 フィールド版』(平凡社,1985)や長田 武正ら『検索入門 野草図鑑 ②ユリの巻』(保育社,1983) では,カノコユリには香りがないとされているが,実際に嗅いで見ると,実に良い香りがする. この香りに誘われたか,ツマグロヒョウモンが花を訪れた. カネボウ化粧品が,この香り成分を分析した結果 ・スパイシー感のあるオイゲノール・フローラル感のあるリナリールアセテート・パウダリーな甘さをもつバニリン などが検出され,これらの成分から穏かな甘い香りが構成されていることがわかった.
再構成されたカノコユリ応用の香りを嗅ぐ事で,左脳ゆらぎリズム度が上昇し,気分がよく快適度が上昇し,また,右脳ゆらぎリズム度も無香時にくらべ上昇し,香りにより,よりリラックス(鎮静)することがわかったとの事.

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