2010年7月12日月曜日

オニユリ

Lilium tigrinum 朱い花弁に黒褐色の斑点をもつ特異なユリ.いかにも丈夫そうな紫がかった茎に白い毛,葉のつけ根には紫褐色のムカゴを持ち,動物的な感じさえする.
古い本草書では「巻丹」とも呼び,根が甘くて食用にはなるが,薬用にはならないと,苦い白いユリのそれとは一線を画している.日本で見るものは古く中国から食用として入ったものであろうと考えられ,3倍体なので種子はつけず主に珠芽(葉腋につくむかご)により増殖する. 1977年以降に対馬と韓国南部に 2 倍体が自生しているのが確認されている.
日本・中国から渡って,花のラファエロ ルドーテの「ユリ図譜」にも描かれ,今では世界中で栽培され観賞されている.( 「海を渡った日本の花」オニユリの項 参照)

仙台の実家から持ってきたいくつかの植物のうちで最も繁茂している.
珠芽が落ちると発芽し,2~3年目には花が咲く.狭い庭に花が咲く個体が 50 本以上.あちらこちらに拡がっていので,適宜間引いている.若い茎が途中で折れると,その頂上に,通常の葉腋につくものとは比べ物にならない大きな珠芽がつく (左).その場で発芽しているものさえある.成長や開花のための栄養が集中するためか.


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