2010年5月22日土曜日

ニワナズナ(スイートアリッサム Sweet alyssum)

Lobularia maritima
種小名に「海の近く」とあるように,原産地はマカロネシア(Macaronesia:ヨーロッパや北アフリカに近接する大西洋の複数の島々)や地中海沿岸地方だが,温帯に広く野生化。野生種の花は白だが,紫色や最近では黄色やオレンジ色を帯びた花色の品種もある.英名の通り非常に甘い香りがする.中国では“香雪球”と呼ばれるが,花の集団が丸くまとまるものもあり,なるほどと思わされる.

引っ越して直ぐに種から育て,15年以上こぼれ種で継代生育し,日当たりの良い場所に広がっている.時々紫色がかった花をつける株も出るが,白が優勢.晩春から初夏,秋の二期が最盛期で,天気の良い日には甘い香りが2階まで立ち上る.最近はハバチの類の黒いいもむしのご馳走になり,白黒の対比も楽しめる.地中海沿岸原産だけあってアルカリ性の土壌を好み,道のコンクリートの舗装の割れ目からも生えてくる.そういえば,1978年12月に訪れたバルセロナ近郊の海岸,石灰岩の崖の上は,白いこの花に覆われていた.

おまけはそのときに見た風景.ゴヤの銅版画集 「ロス・ディスパラティス(妄)」 1864年の中,「女の妄」に描かれている,大きな布に人形を乗せてみんなで空中に跳ね上げる遊び.どんな意味のある遊びなのか,大人も参加.


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