2010年5月1日土曜日

シラー・カンパニュラータ

Hyacinthoides hispanica (Spanish Bluebell)
英文学に登場する Bluebell (English Bluebell, Hyacinthoides non-scripta) とよく混同されるが,これは名前の通りスペインを中心とする地中海沿岸原産.最近,遺伝子による分類の見直しによって,ユリ科 → ヒアシンス科 → キジカクシ科 (アスパラガス科の方がよっぽど分かりやすいと思うが) と科が変わり,属もスキラ属からヒュアキントイデス属になった.従っては流通名(一般名)は学名とは関係のない通称となってしまった.
シラー・カンパニュラータとイングリッシュ・ブルーベルとの見分け方は,花粉の色(青や薄緑 : 淡黄色),花の香り(ほとんど無香 : 甘い香り),花穂の先端の方向(ほぼ直立か斜上 : 下を向く) 等で,日本には純粋の English Bluebell は入っていないとの事.梅雨と夏の暑さが難関なのだろう.

 もう10年以上の住人で着々と個体数を増やしている.入れた覚えのない白い八重の花をつける株もある.ほとんど雨の当たらない軒下でも増えるのは,原産地の乾燥した風土を思い出すからか.上の見分け方から明らかにシラー・カンパニュラータ.

 おまけは英国の Bluebell の絵葉書.たしかに花穂の先端が下を向いている.残念ながら滞英中にこの風景は見る事は出来なかった.

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