ローズマリー トスカーナ・ブルー

Rosmarinus officinalis 'Tuscan Blue"

Are you going to Scarborough Fair?

Parsley, sage, rosemary and thyme,

Remember me to one who lives there,

For she once was a true love of mine.

from Simon and Garfunkel, “Scarborough Fair”, based on “The Elfin Knight”

属名のRosmarinus とは「海の雫 (ラテン語 ros = dew, marinus = of the sea)’」の意味で，地中海に面した崖などに多いと想像されたことによる．従って英名の “rosemary” はバラとも聖母マリアとも関連はない．しかし，その葉がマリアの神木の Juniper （ネズ）のそれに似ているので，俗に “The rose of the Virgin” と信じられ，キリスト教にまつわる伝承が多い．
一方，古くからその香りには記憶を助け呼び覚ます効果があるとされ，古代ギリシャの学生は，勉強中はこの小枝を髪に挿したと言われる．また，友情や愛情を忘れない心の象徴ともされ，シェイクスピアのハムレットにはオフェーリアの有名な言葉 “There's rosemary, that's for remembrance. Pray you, love, remember.“ がある．
最近では，ローズマリー精油に神経細胞の再生を促す効果があることが報告され，ローズマリーと記憶の関係は単なる俗信ではないとも言われている．

30年ほど前，オーストリアのスイス国境近くの宿に宿泊したとき，出されたサラダのドレッシングに乾かしたローズマリーの葉が入っていて，非常に美味しかった．その再現を目指して植えたのだが，なかなかうまく乾燥できない．鉢植えの間の2年間は花が咲かなかったが，地植えにして１年目で少しだが花がついた．


おまけは泊まった宿の直ぐ傍の教会の噴水．両面のマリア様が４つの乳房から水を噴き出していた．時刻を告げる鐘の音のうるさかったこと．