2010年6月9日水曜日

タチアオイ(9)

Althaea rosea (9)米国の種から成長した株は、前からあった株と交配し、今では花の色・模様・花弁の形・一重/八重、葉の形が一株一株違うといっていいほど多様な株が成長している。その中でも特異なのは、ほぼ黒に近い濃い栗色の花。


この色の花は近辺ではあまり見かけないが、1887年ドイツで出版された Prof. Kohler 著 “Medizinal-Pflanzen” には、栗色の花が美しい多色石版画が収載されている。この図譜にある以上、当時欧州では薬用として用いられていたのだろうが、詳細は不明。
日本では古くは蜀葵(タチアオイ)の根茎も婦人病などに用いたとの事。また、葵といっていたフユアオイ Malva verticillata も蔬菜・薬草として用い(和漢三歳図会)、今でもハーブティーなどで市販されている。

タチアオイの英名は Hollyhock だが、その仲間は Mallow と呼ばれる。欧州の沼地 (Marsh )に自生する近縁種の Marshmallow (マーシュマロー )( 和名ウスベニタチアオイ、Althaea officinalis ) の根から採れた粘液(多糖類)に、卵白や砂糖を加え、あわ立てて固めたお菓子が「マシュマロ」。 現在では、ゼラチン、寒天などを用いて製造。



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