このクルシアナという属名に名を残す17世紀初頭の有名な植物学者,カロルス・クルシウス(1526~1606) は,1593年ウィーンからオランダのライデンにチューリップの球根を運んできて,法外な値段をつけて売り出した.それからチューリップはオランダで多く栽培され, 1630年代には A. デュマの「黒いチューリップ」でよく知られるチューリップ熱が蔓延した.希少な品種に対しては「グリフォンやユニコーンを対象にしたほうがまし」と言うほどのとんでもない投機が横行したが,1637年に突然市場が底をつき,数百人が破産したと言う.
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数年前鉢植えで頂き,そのまま中身を地植えにした.毎年可憐な花を咲かせるが,種ができないのにかなり離れた所から芽が出てくる.不思議だなと思っていたが,今年植え替えをしようと掘ってみたら,球根から出ている根の一本が太くなり,それがランナーの様に地中を伸びてその先が膨らんでいるのを見つけた(左図の右).この膨らみから葉が出て新しい個体になるのであろうか.ならば謎が解ける.栽培品種とは異なる栄養生殖法を身につけているようだ.
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