2010年4月26日月曜日

セイヨウタンポポ, O. ヘンリー, レイ・ブラッドベリ

Taraxacum officinale
I am the bold fellow. As ever was seen.
With my shield of yellow, And my blade of green.
You may uproot me. From filed and from lane;
Trample me, cut me, I spring up again.
---- Dinah Mulock Craik.

勿論,植えたわけではない.日本の在来種カントウタンポポとは総苞外片の反る点,上の写真で分かるように,雌しべの先がカールしている点が異なる.また,カントウタンポポの頭花は外側の舌状花がやや白く,全体的にやわらかく見えるので,なれると直ぐに区別ができる.

 欧米では古くから,根は炒ってコーヒーの代用に,若い葉は多少の苦味があるが,サラダなどにして食べる.また,米国の一部では,花弁を自家製醸造酒(タンポポワイン)の原料として用いる.

『最後の一葉』,『賢者の贈り物』 の作者オー・ヘンリー(O. Henry, 1862 - 1910)の “Springtime á la Carte (1906)” では,家庭料理店のメニューの「タンポポのサラダ」“DANDELION, WITH HARD-BOILED EGG” を 女性が“DEAREST WALTER, WITH HARD-BOILED EGG” とミスタイプしたことが愛する男性との再会につながる.(http://www.ciudadseva.com/sevacity/stories/en/henry/springtime_a_la_carte.htm)

また『火星年代記』,『刺青の男』などで有名な幻想作家レイ・ブラッドベリ (Raymond Bradbury, 1920-2012) の『たんぽぽのお酒』 (Dandelion Wine, 1957) では,主人公の祖父の作る黄金色の Dandelion Wine が,米国西北部の田園に住む12歳の少年の一夏の全ての喜び・楽しみを象徴する(https://archive.org/details/RayBradburyDandelionWine)など,欧米では日本以上に親しまれている.

おまけは " E. Cox, Medical Botany or History of Plants in the Materia Medica of the London, Edinburgh, & Dublin Pharmacopoeias 1819-1822 " からセイヨウタンポポの銅版手彩色図譜.



0 件のコメント: