2010年4月27日火曜日

アマドコロ(斑入り)

Polygonatum odoratum var. pluriflorum
春,忘れた頃に芽を出してくるので,気をつけていないと他のものを植えようとして根茎を切ってしまう.園芸店で,ナルコユリ,ナルコスズランなどの名前で売られているが,ナルコユリとは違い,茎に角ばった稜がある.名は根茎の形がヤマイモの近似種のトコロ(オニドコロ)に似て,甘味のあることから来たとか.根茎を乾燥させたものは玉竹または萎蕤(いずい)という生薬であり,滋養強壮に効果があるとされる.韓国ではハーブティーの一つ「トゥングレ茶」としてひろく飲用されている.俳人小林一茶は強壮のため,近似種のナルコユリの根茎(黄精)を陰干しにして酒に漬けて服用していた.効果があったらしい.

 英名のSolomon's Sealとは,イスラエルの国旗にも使われている正三角形を2つ組み合わせた”ソロモンの指輪”と呼ばれる模様のこと(左図).この植物は秋になって茎が枯れると根茎から離れ,地下茎に残された痕跡の形がこの模様に似ているからとの事 (未確認).ソロモンの指輪は真鍮と鉄でできており,様々な天使や悪魔を使役し,あらゆる動植物の声までをも聞く力を与えると伝えられている.
 カモ類の雛の刷り込み現象を唱えたことで知られるコンラート・ローレンツ (Konrad Zacharias Lorenz, 1903-1989) は動物の行動観察することにより,その「言葉」がわかるのだ,として 『ソロモンの指環―動物行動学入門』 (1960)を書いた.

0 件のコメント: