2010年4月18日日曜日

サクラソウ(3) 松の雪

Primula sieboldii cv. “Snow on pine trees” 品種名:松の雪(まつのゆき),表の花色:白・花弁の先端緑斑,裏の花色:白・花弁の先端緑斑,花弁の形:広 かがり,花容:浅抱え咲き・受け咲き,花筒の色:淡緑色,花柱形:長柱花,花の大きさ:中,作出時期:江戸後期,類似品種その他:青葉の笛・柳の雪,性質強く繁殖良・庭植に適している.(「埼玉県花と緑の振興センター」のHP(http://www.pref.saitama.lg.jp/site/sakurasou/901-20100106-170.html)より引用)

浪華さくらそう会の山原茂氏の「桜草栽培史」によると,すでに室町時代にはサクラソウの庭での栽培・観賞の記録があるそうだ.
山原氏の(http://blog.livedoor.jp/yamaharasakura/archives/cat_10007473.html)から抜粋すると,

 大乗院寺社雑事記(尋尊大僧正の日記)文明10年(1478)3月の日記末尾 「庭前草花」に「二月 同 花桜 信乃桜 岩桜 庭桜 桜草 全躰」とあるのが,初めで,実隆日記(公卿三条西実隆の日記)明応5年(1496) 閏2月6日 晴に「早朝退出、桜草・庭桜等依(後土御門天皇の)仰掘進上之」とあり,御所や公家の庭に花壇が設けられ,桜草が植えられ楽しまれていたことが推察される.
 生け花の専門家も桜草をとり上げ,「道閑花伝書」 永正三年(1506) の中に 桜草 の文字があり,また,因幡善浄坊休夢「天王寺屋茶会記」 天正十二年(1584)三月四日朝 に「床二細口 桜草 生而圓盆 ---- 花ヲイケ申候」と記されている.
 このように京・大坂・奈良で次第に桜草が知られるようになったに伴い,サクラソウが狩野光信の「四季花鳥図屏風」「花鳥図屏風」「花卉草花図襖」を初めとして,俵屋宗達,尾形光琳,酒井抱一などの作品に,春の草花として描かれるようになった.これらに出てくる桜草は色違いなどいくつか描き分けされているものもあるが,野生種ばかりである.

とのことで,色々な品種が作出され,栽培され,観賞に供されるようになったのは,江戸時代も半ば過ぎてからであろう.

この「松の雪」は近くのホームセンターで4年ほど前に購入.その後順調に繁殖している.埼玉緑化センターのコメントにあるように強健.今年は庭植えにして,来年は原種との紅白の花を期待しよう.

左の写真は昨年庭植えした原種のサクラソウ.鉢植えより早めに咲いた.左側には日よけも兼ねたキクを,右側にはジャノヒゲを植えている.

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