2010年4月6日火曜日

ヒメツルニチニチソウ

Vinca minor
 常緑の葉を持ち,強いつる性で,地面に付いた枝から根を出し拡がるこの植物は,欧州の伝承や民俗にゆかりがあるが,特に愛や死と結びついている.イタリアでは子供の死棺にこの花の輪をのせ,中世の英国では刑場に連行する死刑囚の頭にこの花輪を載せた.一方,ドイツではこの植物を「不死」の象徴とし,また催淫効果があるとし、愛情の象徴ともした。

 「社会契約論」の著者として有名な J. J. ルソー(1712-1778)にまつわる逸話もよく知られていて,花言葉 「楽しい思い出」 の由来ともなっている.
 彼の「告白」(1781)に出てくる話として,彼が若い頃,母とも慕う Mme DE Waren と共に les Charmettes の近郊を歩いている時,彼女は垣根に咲く青い花を見つけ「まあ,ここにはヒメツルニチニチソウがまだ咲いているわ(”Ah,voilá de pervenche”)」と言った.前にこの花を見たことになかったルソーだったが,極度の近眼で地上の花を見分けられなかったにも関わらず,身をかがめて見る事はしなかった.
 その後,植物の観察・研究をしたルソーは,30年後の1764年に,友人と共に Cressier の小山を登っていた時にこの花に出会い,あの懐かしくも楽しい時代を思い出し,突然,”Ah,voilá de pervenche”と喜びと共に叫んだという.(出典:“Lorraine General Tips” http://www.virtualtourist.com/travel/Europe/France/Lorraine/General_Tips-Lorraine-BR-1.html



 おまけはこの花の花言葉 (Floriography) 「楽しい思い出」 (Happy memory) にちなんで,米国の友人 Dan-san の家族の写真.
 インディアナ州の Seymour にも春が訪れ,2010年4月4日のイースターの礼拝に出席するため,晴れ着を着ている.
 彼らの後ろは東洋から(多分日本から)きたレンギョウ (Forsythia suspensa) の花.
寒かったSeymourだが,日本の季節に追いついたようだ.

0 件のコメント: